グローバル教師と地球の子ども達

30カ国以上の子ども達を、アジアとヨーロッパのインターナショナルスクールで教えた教師が考える。これからの時代の教育とは?教師とは?子育てとは?

保護者会

インド人の親は非常に教育熱心です。特に、男の子の親。
クラス保護者会では数名のインド人保護者からの矢のような質問。それぞれ細かく突っ込んで追及してくる。
私が日本人であるということで、英語の授業や評価について、細かく細かく質問される。リーディングの教材は何を使うのか、どのくらいの数の単語を扱うのか、文法はどこまで教えるのか、ネイティブイングリッシュスピーカーの補助はないのか。
さらに算数も項目別に何を扱うのか説明しろとか、テストはどういう内容でどのくらいの頻度でするのかとか、宿題はどういう扱いをするのかとか。
まだ新学年が始まって数日なので、当然ながら、「様子をみつつ対応を・・」という答えもいくつかしなければならず、そのたびに「じゃあ、用意してないんですか」「学校としてベースはないのか」など、もう、噛みつかれまくり。インド人でない保護者の人たちは、全員凍ったように沈黙・・
 
会が終わった後も残ったインド人保護者たちの熱心な質問は続き、IBについての広義な質問にも及び、もう1冊本でも書けるほどの内容になった。ふと、
「いやあ、先生、嬉しいです、ここまで付き合って答えてくれて。ご経験があって素晴らしい。もっと聞きたいですな」
とその中の1人が言った。
「そうそう、知れば知るほど、聞きたいこともたくさんわいてきますねえ」
え?
「ぜひ、もっと色々伺いたいので、メールアドレスを教えていただけませんか?」
 
ということで、いわゆるモンスターペアレンツとは違って、熱心さあまっての要求だったということ。そして、私がそれに対し適切に答えていたという良い結果が、さらなる質問を生んでいたようです。。。
 
インドは人口の多い国。それに対して大学の数が決して多いとは言えないので、必然的に狭き門となってしまう。近年はそんなこともあって、海外の大学へ留学する子どもも多いけれど、やはりかなりの経済的負担である。だから国内の競争は激しい。
インド国外で、子どもをインターナショナルスクールに入れられるくらいの家庭は、もちろん中でも裕福な方だから、アメリカやイギリスの大学に子どもを進学させることはできるけれど、彼らは愛国心も高いので、「我が子がインドで大学に行く頃までに、インドの教育が世界を牽引するレベルになっていてほしい」と思っている。かなり本気で。
 
でも、これだけ本気で1人1人の大人がそう考えていたら、本当にそうなるかもしれない。