グローバル教師と地球の子ども達

30カ国以上の子ども達を、アジアとヨーロッパのインターナショナルスクールで教えた教師が考える。これからの時代の教育とは?教師とは?子育てとは?

非ネイティブイングリッシュスピーカー

フェアに参加するのと同時に、自分の履歴書をいろいろなインター校に配った。ウェブサイトを見て、採用情報を見て、採用があろうとなかろうととりあえずメールで(一方的に)担当に送った。

 

日本にあるインターナショナルスクールに関しては、 フェアで直面したことと同じことが起こった。「ネイティブイングリッシュスピーカー以外は採用しません」との返事。しかし学校のウェブサイトを見ると、北欧や東欧出身の名前も見えたりする。要は、私が日本人だからだめなのだ。

日本にあるインターナショナルスクールの多くは、日本人生徒をたくさん抱えている。彼らの親たちは「子どもをインターナショナルな環境で育てたい」と考えて、あえて通学させている。当然ながらそこには、「英語ペラペラ」な子どもへの希望もあるわけで、そんな中、担任の先生が日本人だったら、「何のために高い授業料払ってるんだ!!!」となるのである。

 

日本人で英語教育に熱心な人々は、とかく「ネイティブイングリッシュスピーカー」にこだわる。でも、ネイティブってなんだ?何をもってネイティブ度をはかるんだ?そして、その差がわかるのか?わかっているなら、なぜヨーロッパ出身の教員が文句も言われず普通に働いているんだ?

 

ある話を聞いたことがある。

アメリカ駐在から帰国した日本人家族。子どもの通う小学校に、オーストラリア人の英語の先生が講師として来ていたそうな。オージー英語は発音が違うので、子どもはその先生の言っていることがさっぱりわからなかったそうだ。(本当に英語が身についていればそこまでわからないということもないだろうけど)そしたらその母親、その講師の所属機関に「ちゃんとしたネイティブスピーカーをよこしてください」と苦情を言ってきたそう。・・・・笑えるけど笑えない話。

 

本当にインターナショナルな環境を目指すなら、教員の4割は中国人、3割はインド人になってもおかしくないはずだ。それは極端かもしれないけれど、現にヨーロッパにある名だたるインター校は、各種人種を必ず取りそろえている。

日本人の「インターナショナルスクール感」のほうが、よっぽど世界的に見て極端で偏っているのである。