グローバル教師と地球の子ども達

30カ国以上の子ども達を、アジアとヨーロッパのインターナショナルスクールで教えた教師が考える。これからの時代の教育とは?教師とは?子育てとは?

退屈は素晴らしい

冬休みに入り、 さて子どもとどう過ごそうか・・・と考えている親御さんも多いのではないでしょうか。寒いけどディズニーランド?いや映画?でもどこも混んでるし、どこか子どもが退屈しないいい所はないかしら・・・
 
いいんじゃないでしょうか。退屈で。
 
昨年イギリスの大学での研究で「子どもは退屈な時に創造力を養う」という発表がありました。
情緒と学習・生活態度の関係を研究しているベルトン博士は、「最近の社会は常に刺激にあふれていなければならないとういう風潮があり、退屈であることがよくないことのように捉えがちです」とした上で、「しかし、創造力は内面的な刺激を育むものです」とします。
以前博士は、「テレビやビデオが文章力に及ぼす影響を研究する中で、近年の子どもはすることがないとすぐにテレビやコンピューターやスマホなど、画面に映るものを点ける傾向にある」という研究を発表しました。そしてこれら画面に映るものに頼りすぎると、想像のサイクルが短くなり、創造性も育ちにくくなるということです。
 
何もすることがなくて、退屈でぼんやりとする時間。絵を描き始めたら止まらなくなるかもしれません。空きペットボトルで工作を始めるかもしれません。むいたミカンの皮を何かに見立ててお話を作るかもしれません。
外に出れば、面白い形の葉っぱを集めてままごとを始めるかもしれないし、砂の上に大きな絵を描くかもしれません。砂山に水をうまく流すにはどうしたらいいか実験をするかもしれません。ぼんやり座って飛ぶ鳥の群れを見つめるかもしれません。

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年末年始、もしも渋滞に巻き込まれたら、車でDVDを見せる前に少し退屈を味わせてみてください。外の景色からクイズを出し合うのもいいでしょう。雲の形を楽しむのもいいでしょう。自由帳と鉛筆があればいろいろなことができるでしょう。
そして、そんな時に、大人が退屈しのぎにスマホをいじらないことが一番の教育になるのではないでしょうか。
 
参考