グローバル教師と地球の子ども達

30カ国以上の子ども達を、アジアとヨーロッパのインターナショナルスクールで教えた教師が考える。これからの時代の教育とは?教師とは?子育てとは?

クリエイティビティを支えるデザイン

クリエイティビティ、創造性。「あの人はクリエイティブな人だ」と聞くと、なんだか、ちょっと他の人とは違った才能を持って生まれてきたようなイメージがありますよね。

また、「日本人は今ひとつクリエイティビティに欠ける」なんていう言葉、耳にしたことはありませんか?「もっと学校教育では創造力の育成に力を入れるべきだ」などと言われて久しいです。確かに日本では、どちらかというと統一的で着実な学力のつけ方をするカリキュラムが組まれていますが。
 
でも、クリエイティビティは才能なのでしょうか?そして本当に我々は創造性に欠けるのでしょうか?
 
心理学者のポール・トランスは、創造性のプロセスについて次のような見解を示しています。
>オリジナリティ ユニークなアイディアがある。
>流暢性 いろんな違ったアイディアがどんどん出てくる。
>柔軟性 考えを変えたり違った視点で考えられる。
>推敲 アイディアを広げたり深めたりする。
どうやら、必ずしも人と違った発想をすることだけが、創造性豊かであるとは断言できないようです。
 
我々は、クリエイティビティ・創造性という言葉を、表面的に解釈してしまっているのではないでしょうか。だから、ユニークなアイディアという点だけにこだわってしまうのでしょう。人と違ったアイディアがパッと思いつかない=ダメだやっぱり創造性に欠ける・・・、と、その先を諦めてしまってしまってるのではないでしょうか。
 
ユニークさにこだわらず、もっと思いつきをどんどん出し、異なる視点で見つめ直し、考えを深めていくことで、創造性のプロセスをふんでいくことになるのです。そしてプロセスをたくさんふんでいるうちに、本物の創造力が培われていくことが期待されます。
 
そこで表題の「クリエイティビティを支えるデザイン」という考え方です。デザインとは、思いつきを並べたり並べ替えたり、広げたり深めたりという頭の中の作業を目に見える形にしたものです。(思考の可視化)
デザインをする、と聞くと、とても特別な響きに思えます。それこそクリエイティブな人じゃないとできないようなイメージです。しかし、実はその逆の働きも大いにあるのです。
 

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デザインを何度もしていくうちに、創造性のプロセスを身につけることができ、いつの間にか新しいユニークな発想が生まれる。
もし、自由な思いつきがたくさんある幼児期にデザインする経験を積むことができたら、素晴らしい可能性が見えてはきませんか。