グローバル教師と地球の子ども達

30カ国以上の子ども達を、アジアとヨーロッパのインターナショナルスクールで教えた教師が考える。これからの時代の教育とは?教師とは?子育てとは?

What future for education? 2週目

Week 2 - What is intelligence and does it matter? 
知性とは何か。生まれつきのものなのか。
 
今週の講義では、「知性」を「能力」と「力量」に分けて考えた。
通常「能力」は学びの度合いをはかるもので、例えばIQやテストの点数などがそれらである。
実はここには、その個人の生活や環境などが大きく影響する。例を言えば、簡単な数を数えるなどの教育的な活動を全く施していない家庭の子どもが、いきなり小学校で算数を習ってもなかなか定着しないというようなことである。だから、この結果だけでそもそもの知性を推し量るということはできないのである。
つまり能力とは、アドバンテージが雪だるま式にいくつもの層になってできたものであるとここでは考える。少しのチャンスにちょっと進んだ練習を重ねていくことで、能力が上がるのである。例えば、子どもがお風呂で体を温めるのに「10まで数えなさい」というとする。これがチャンス。何度も繰り返してちゃんと10まで数えられるようになったら、今度は10から1に数える。1こ飛ばしで数えてみる。などなど行っていくことがいくつもの層にあたる。
 
こうしていろいろな方面の雪だるま能力をいくつ持っているかが、「力量」につながるというわけだ。少しの可能性とたくさんの練習が、その人の力量も広げていく。
何かの達人になるためには、10000時間の練習が必要であると言われている。無論途中失敗もあるだろうから、トータルで考えればそれこそ気が遠くなるような道のりである。
力量を大きく持つことで、大局的に物事を見ることができるようにもなる。物事の大局が見られれば、新たなことも素早く身につけることができるし、より進んだ理解もできる。そしてこれが、知性となってあらわれてくるのである。
 
知性を伸ばすことは後天的な事象であるならば、では、教育を施す側は何をしたらいいのか。
 
・チャンスを見つける
ー子どもの興味を理解しているか?
ーそれを与えているか?
ー子どもがそれを選ぶことができるか?
 
・子どもの診断
ー大局的な視野が持てているか?目的が見えているか?
 
・導き
ー褒めるだけではない、的確なフィードバックを与えているか?
ー大局的に成長を見ているか?
ー子どもを伸ばす、質の高い質問を投げかけているか?
 
 
我々大人も、工夫次第ではもっと自身の知性を伸ばすことができるというもの。
言い訳はできない・・・