グローバル教師と地球の子ども達

30カ国以上の子ども達を、アジアとヨーロッパのインターナショナルスクールで教えた教師が考える。これからの時代の教育とは?教師とは?子育てとは?

校長先生からの手紙

イギリス小学校統一テストの結果に同封された、校長先生の手紙。

www.theguardian.com

拙訳ですが。

 

チャーリー オーウェン君(おそらくこの部分は全員に変えて送っているものと思われます)へ

同封のKS2(7から11歳)テスト結果を確認してください。我々は、大変な1週間にわたる頑張りとたゆまぬ努力を終えたあなたを誇りに思います。

しかし、テストというのは、いつもあなたがたがどれほど特別でユニークかということを評価できるものではないことを、我々は憂慮しています。テストを作り採点する人々は、あなたがた一人一人のことは知りません。先生方や、私もそうでありたいですが、ましてやあなた方の家族のようには。彼らはあなた方の多くが2カ国語を話すことは知りません。あなたが楽器が弾けることも、ダンスが踊れることも、絵が描けることも。あなたが友だちに必要とされていて、またあなたの笑い声がひどく退屈な日も明るく輝かしてくれることも。あなたが詩や曲を書くことも、スポーツをすることも、将来を不安に思っていることも、放課後小さな弟や妹の面倒を見ていることも。素敵なところに旅をしたことも、お話が上手なことも、あなたが家族や友だちと過ごす時間が大好きなことも。あなたが信頼できる人で、優しく思慮深く、またそうであるように日々ベストを尽くしていることも彼らは知りません。点数はあなたに何かを伝えるものですが、すべてを語るものではありません。

 

テストの点数を持ってして、その人物を評価できるものではない、ということは大人の我々はよくわかっているはず。けれど、それをこのように公式に堂々と子どもに言ってあげること、それが実はとても大切なことだと気づかされる。
勉強も運動も頑張りましょう。お友達に優しくしましょう。お家の人に感謝しましょう。そうやって鼓舞する形での日本の校長先生のお話は典型的だけれど、こうやって「あなたがた1人1人には、目立つ目立たないに関わらず、素晴らしい素質があるのだよ」と語りかけ続けることの効果は絶大だろう。個性を認められるというのは、こういうことだとつくづく思うのだ。