学校選び
インターナショナルスクールには、転校生がつきもの。いろいろな国からいろいろな事情で転校してきます。
転校してくる際に行うのが学校見学。実は近くにはもう1つインター校があって、そちらはイギリスのカリキュラムでやっています。よって、こちらに引越してくる子どものいる家庭のほとんどが、両方の学校を見学してどちらかを選びます。
ここで面白いのが、出身国によって見学の仕方が違うこと。これが全てではありませんが、私が体験しているところでは、
韓国人:見学しません。多くが父親の会社の同僚家族がいるところに決めます。
アメリカ人:英語をどう扱っているのか、ネイティブイングリッシュスピーカーの生徒の割合は、算数はどういう内容か、など細かく質問してきます。
ヨーロッパ人:子どもをクラスにまず突っ込み、体験させて、本人の意思を問います。
日本人:通いやすさ、給食の有無、設備、そして評判のよさを重視します。
どれがどういいかは、私には意見するところではありませんが、これって、各国の色がはっきり出ているような気がします。
年長者が絶対の国、情報とデータが物事を左右する国、個性を尊重する国、比較競争原理の国。それぞれの国の人がそれぞれの考え方で学校を選びます。たとえ、2つしか選択肢がなくても、どちらがいいのか真剣に考えるのが親心というものでしょう。
最近、私の友人たちの子どもたちも大きくなってきて、「どんな学校に行かせようか」なんて話題も上るようになってきました。
いつも述べる私の意見は、「親としての筋を通すこと」。公立に行かせようと、私立に行かせようと、どっちでもいいけど、他人の意見に左右されないこと。「うちは小学校は公立に行かせるけど、中学は受験させる」というなら、その筋を通すこと。周りのお友達が小学校受験をするからといって、「じゃあうちもやってみようかしら」程度で方針を変えないこと。
中学卒業までは、親が子どもに教育を受けさせる義務があることは、誰もが知っている日本の法。ならば、そこまでは、親が子どもにきっちり方針を示すべきだと思うのです。会社でいうところの、企業理念と経営方針です。
そしてもう1つ。「学校に全てを求めないこと」。学校は重要だけれど、学校だけで学びが完結すると思ったら間違いです。
比較の国から来た人たちからは、「やっぱりそっちの学校にすればよかったかも」なんていう話を聞くこともあります。隣の芝生は青く見えるのかもしれません。けれど、結局、完ぺきな学校なんてないのだろうと思うのです。
だったら、何を選択項目に挙げるのか。そして埋められなかった項目をどう家庭でフォローしていくのか。逆に、家庭で埋められない項目をどう学校で埋めていくか、という考え方でもいいかもしれません。
いずれにしても、人の意見や評判に左右されるほど、子どもにとってつまらないものはない気がします。