グローバル教師と地球の子ども達

30カ国以上の子ども達を、アジアとヨーロッパのインターナショナルスクールで教えた教師が考える。これからの時代の教育とは?教師とは?子育てとは?

同級生ほど優れた先生はいない

私のクラスにはイギリス人がいる。圧倒的に非英語圏の国から来た子どもが多い今の学校では珍しいことだが、この子がいることにより、いい影響がでてきた。子どもたちが徹底的に英語をしゃべるようになったのだ。

 

学校は韓国人生徒と日本人生徒の割合が高いので、クラス内ではつい、その子たちは母国語を使いがちで、時にそれが問題視されることもしばしば。

しかし。わがクラスで韓国人の子たちが韓国語でうっかり会話を始めると、「Excuse me, I can’t understand your language. It’s not fair to everyone, is it? Why don’t you speak English since we are learning it together?」とイギリス人の彼にピシッと言い放たれてしまう。しかも、完ぺきなクィーンズイングリッシュで。

そして、彼は相手がわかるまで英語で語りかけ続け、時に自分の言ったことを反復させるほどの敏腕英語教師ぶりで、ついに1カ月たち会話が成り立つようになってきたのだ。

無論私が何もしてない、とは言わない(言えない)けれど、去年の子どもたちに比べて伸びが速いように感じるのは、やはり彼のおかげとしか言いようがない。

 

もしも、このブログを読んでいる人の中で、自分の子どもを英語ペラペラにさせたい、と考えている人がいるならば、英語を話す国の人で同年代の子どもを持っている人と家族ぐるみでお付き合いすることを勧める。そして、その人たちと毎日6時間以上一緒に過ごすこと。

そんなのできるわけないよ!と思うでしょ?そう、すごく難しいことなんです。言いかえれば、週に1回、お子様向け英語教室に行かせたって、英語ペラペラにはなれませんよ、ってことです。あ、キツい言い方ですみません。

 

とにかく、一般的に子ども(15歳まで)英語がペラペラになるには、「プレイグラウンドレベルで2年、アカデミックレベルで6年」かかると言われてます。つまり、2年間毎日英語を使って遊んで、ようやく友達と完ぺきに会話ができるようになる。そして、6年間毎日英語で勉強、英語の本を読み続けて、ようやく英語が定着したと言えるわけです。まあ、日本語で置き換えてみても同じですよね。

 

今年のうちのクラスの非英語圏の子どもたちは、本当にラッキー。このまま彼に引っ張って行ってもらいましょう(笑)。